待宵月 花の色

 刻すでに夜半をまわり、待宵の月が空高くに輝くころ。
 友雅は内裏を退出して、網代車に乗り帰路についていた。
 本日はずいぶんと帰宅が遅くなってしまった。だがそのおかげで、小望月の冴え渡るさまを牛車に揺られながら見る事ができたと、友雅は扇の陰で笑みを漏らした。
「まるで彼の姫君のように、まこと勢いに満ちた月ではないか」
 あかねの笑顔を思い出しながら、友雅は目を細める。
 ふと、牛車の簾ごしに、薄紅の衣がすっとすれ違うのをみつけた。
「車を止めよ」
 牛飼い童に牛車を止めさせ、簾をあげて顧みる。
 そこには、薄紅の袿を被衣のように被った女が、供の一人も連れずに歩いていた。背後の牛車が止まったのを気配で感じたのか、一瞬だけ振り返る。
 女はちらりと振り返っただけで、友雅には気づかなかったようだ。
 だが友雅は気づいた。被衣の下の容貌(かんばせ)は、さきほど友雅が月に喩えた、待宵の姫ではなかったかと。
「──…まさか、ね」
 とは思ったが、確かにあかねの顔だった。
 こんな夜更けに女が一人、供も連れずに歩いているなど、自分たちの常識ではとても考えられない事である。考えられないからこそ、それがあかねを指しているように思えてならないのだが。なんといっても、かの姫君は異世界より舞い降りた、龍神の姫君であるのだから。会ったばかりの頃など、あまりに珍奇な行動の数々に驚いたものだ。
「まったく、なにを考えているのか……」
 口ではそのように呟いても、友雅の顔には微笑みが浮かんでいた。
 供人に榻(しじ・牛車を降りるときに使う踏み台)を出させ、牛車を降りる。
「先に邸へ戻りなさい。今宵はいつ戻るかわからないが、出仕前には一度戻るから。皆にそう伝えておくれ」
 主人の気まぐれには慣れている供人たちはひとつ頷いて、邸へと戻り始めた。
 それを見送ることなく、友雅は先ほどの女が歩いていった方角へ足を向けた。
 女の足と男の足。ほどなくして、友雅の視界に再び薄紅の衣が見えてくる。月の光を受けて、白く輝くようだ。
 一応あれでお忍びらしいが、あんなに目立つ衣を被っていてはお忍びにならないのではないだろうか。
 だがあかねの周囲には本当に人がいない──頼久の姿さえもない──ので、こっそりと抜け出してきたのだろう。
 まったく唐猫のごときは……。と、友雅はのどの奥で笑った。
 しかし、この状況は真面目に考えてよろしくない。鬼の脅威は去ったにせよ、京の闇にはもともと怨霊や賊がたくさんいるのだから。
(まぁ私が合流したとて、怨霊も賊も襲うときは襲うのだけれどね)
 だが、自分は多少腕に覚えがあるし、あかねを守るくらいはできるだろう。
 あかねは朱雀大路を北上して、朱雀門の前まで来た。入れないのをわかっているのかいないのか、門から少し離れた場所の木の下で立ち止まる。
 だれかを待っているかのように、朱雀門を見つめるあかね。
 こんな時間にこんな場所まで来て、あかねが待つ人物の心当たりといえば、友雅が知る限りただ一人。
 だがその一人を知るがゆえに少し不思議に思って、友雅は残りの距離を足早につめた。
「こんな夜半に供も連れず、そんな瞳で誰かを待っているなんて……妬けてしまうよ望月の姫君」
「えっ? あ、友雅さん。……あれ?」
 声をかけた友雅に振り返り、あかねは驚いた顔をした。
 友雅の来た方向と朱雀門を見比べながら、とても不思議そうな顔をしている。友雅がまだ内裏にいるものと思っていたらしい。
 ちょっとして、とりあえず状況把握をしたらしいあかねが、嬉しそうな笑みを浮べながら友雅を見上げてきた。
「友雅さんを待ってたんです。お邸に文を出したんだけど、返事が来なかったからまだお仕事なのかなって」
「それはすまなかったね。それで、こんな時間に供も連れず一人でいるは……一体どういうことかな? 見たところ頼久も連れていないようだが?」
 にこやかな口調だが、目は、ちょっと笑ってない。
 うやむやには済ましてくれなさそうな雰囲気の友雅に、あかねは最初、誤魔化すように笑っていたが、根負けして正直に言った。
「えへへへへ…………………その……抜け出してきました」
 あかねの言葉を聞いて、ため息をついた。予想はしていたけれど、本当にこの姫君はなんとまぁ、こう奔放なのだろう。
「そ、その、だって友雅さんのお邸にお文出したけどお返事がなくって、聞いたらまだ内裏だって言うし、でもちょっと急いでたっていうか〜その。藤姫は内裏まで使いを出してくれるって言ってたんだけど、でもそれじゃお仕事中の友雅さんに迷惑かけちゃうしって思って、でも今日じゃないと間に合わないかな〜。なら朱雀門まで行って待ってた方が早いかなって………………ごめんなさい」
 一生懸命弁解しようとしたが、黙って聞いている友雅に、あかねは謝罪の言葉を口にした。
 口を開かなかったから、自分が怒っていると思ったのだろう。しょんぼりするあかねに、友雅は小さく笑って玩んでいた扇を閉じる。
「怒っているわけではないよ。だが夜は危ない。私が心配する気持ちはわかっていただけるかな?」
「…………はい」
「君の仰せとあらば、いかな時刻になろうとかならす参上するから、このような事はこれきりにしてもらえると嬉しいね」
「……でも、お仕事で疲れている日もあるでしょう?」
「そんなもの。君と過ごす時間は私を癒してくれるのだよ? いわば、私は君の元へ休息の時を求めに行っているようなもの……。疲れている時こそ、君の傍で過ごしたいものだね」
 友雅はそう言いながら、あかねの顎をすい取って上を向かせる。
 あかねの大きな瞳は月の光を反射して、闇の中の猫みたいにきらめいた。
 その輝きの妖しさに、友雅はそのまま口付けたい衝動にかられたが、ここは誰が見ているともわからない往来の路。こんな無粋な場所ではなく、あかねと過ごす時をもっとゆっくり感じ取れる場所が良い。
「それで、私にどのような用があったのかな?」
「えっ、あ……」
 友雅の動作から、あかねも口付けられるかもと覚悟をしていたらしい。月夜でもはっきりとわかるくらいに、あかねの頬には朱がのっていた。
「その、一緒に桜を見に行きたいと思って」
「桜?」
「はい、今日あたりで咲ききって、あとはもう散るだけだっていうから……」
 友雅はあかねの言葉を聞いて、そういえばまだ一緒に、桜を見にいった事はなかったなと思い出した。桜が咲き始めのころに、花枝を贈った事はあったが、今度一緒に行こうと言ったきりになってしまっていた。
 その約束をもちろん友雅は覚えているのだが、春の辞目で昇進が決まったり、あかねを妻として邸に迎えるための準備をしていたりで、不覚にも桜が満開ということまで頭がまわらなかったらしい。
 こっそりと衝撃を受けている友雅に気づかず、あかねは少しずつしおれていった。
「でも、ダメ…………ですよね、これからなんて……」
 もう夜も更けて月も高い。怨霊などがもっとも活発になる時刻だろう。
「そうだね、まだ日があるうちならともかく、とっくの昔に暮れてしまったのに出歩くのは、十分危険だね」
 言われてあかねはますます項だれる。
 だが友雅は、その言葉に反して面白そうに唇をつり上げた。
「しかし、君と共に夜桜を愛でたいと思う男もまた、ここに一人──」
 さて、どうしようか? そう続けられて、あかねはぱっと顔を上げた。
「い、行きましょう! 私友雅さんと、夜桜見たいです! ちょっとの時間でいいですから!!」
 あかねは友雅の衣冠を掴み、熱心に言った。
 その勢いでずり落ちてしまいそうな被衣を支えてやりながら、友雅は困った風に笑って見せた。
「君にそのように請われて、私が断れるはずがないとわかっているのかい?……ただし、本当に少しだけだよ」
「はいっ!」
 あかねは嬉しそうに頷いて、友雅に抱きついた。




「友雅さん、どこへ向かっているんですか?」
 二条大路を東へと進みながら、あかねは友雅を見上げて問いかけた。
 友雅は、小走りになっているあかねにあわせるように歩む速度を落としながら答えた。
「神泉苑だよ。あそこがここから一番近くて、そして壮麗な桜が迎えてくれる」
「あっ、そういえば桜の木、たくさんありましたよね」
 過去に訪れた時の記憶を引き出しながら、あかねも言った。
「そう、それにあかね。君と初めて出会ったのはあの場所だ。そして共に戦い全てを終わらせて、そしてまた、新たに始まった場所……」
 友雅は懐かしむように目を細めた。
 鬼に召喚されたあかねが初めて舞い降りた場所が神泉苑だ。そして鬼と戦い、あかねに助けを請われて邪気を一掃した場所。そしてその後、自分たちは新たに始まった。自分の元に残ると応えてくれた、あかねのあの笑顔を共に。
 時経たずして二人は神泉苑に到着した。
 かつて龍神が降臨したこの地は、宵闇の中であっても清らかな空気に包まれている。
「あっ! 友雅さん、あっちに桜が咲いてますよ!」
 そう言って駆け出していくあかねを眩しそうに見つめて、友雅も後を追った。
「よかった、まだ散ってないですね」
「ああ、本当に今宵が一番の見頃だろう。美しいね」
 あかねも友雅も桜を見、ふと思い出したように傍らを振り返って微笑み合い、そしてまた桜を見上げる。そんな風に繰り返して、時を過ごした。
 桜を見て笑いあう二人に言葉はいらない。ただただ美しい桜と愛しい人を、眺めていた。
 どれほどの刻がたったであろうか。
「そういえば……」
「はい?」
「君と私の婚礼の儀を帝に申し上げたら、中宮様よりこれを賜ったよ」
 そういって友雅が取り出したのは、懐紙に包まれた檜扇だった。
「中宮様?」
「帝のご正室の事だよ」
「ってことは、帝の奥様!?」
 友雅から扇を受け取ったが、予期せぬ大物人物からの贈り物に驚き、扇を取り落としそうになった。
「わわっ!? あ、あぶっ……セーフ」
 なんとか持ち直し、怖々と扇を捧げ持つあかね。
 その慌てぶりにくすくすと笑いながら、友雅は言った。
「そんなに畏まらなくてもいいよ。京を救ってくれた君に、個人的にお礼がしたいとの仰せだったのだから」
「そ、それでも〜……」
 今まで帝については話を聞いていたし、永泉の兄でもあるので、あかねは多少の親近感を持っていた。──友雅に言わせれば、そちらの方が恐れ多い事だが。
 しかし今度は中宮からの賜り物。今まで“中宮”の“ち”の字も出てこなかったから、余計にびっくりしてしまったのだ。
「……私って、もしかして有名人なんですか?」
 確か公にしてなかったはず。八葉だった友雅や鷹通などを除けば、帝と藤姫の父である左大臣だけだったのではないか。あと藤姫の邸に仕えている人たち。
 驚きのあまり挙動不審になりかけているあかね。それが面白かったのか、友雅は蝙蝠扇で口元を隠しながら笑った。
「ふふっ、大いに有名人だね。朝廷の主だった者達はみんな知っているよ。事が収まった以上、皆の不安を煽らないようにと隠す必要がないからねぇ」
「そ……そうですカ……」
 赤面したあかねが、閉じられたままの檜扇を口元にあてて、どうしたものかと困っている。
 その様子をしばらく愛でていた友雅だったが、あかねが困ったように見上げてきたので、微笑んでから視線を辺りに戻した。
「それにしても、まこと今宵は美しい月と桜だね。とくに月は冴え冴えとして、明日の望月が待ち遠しい」
「ホントですね」
 違う話題に気を取り直し、あかねが友雅に同意の意をしめす。
 満月の一日前の勢いに満ちた月。その光に照らされ白く輝く桜。それらを一堂に会すのは、これ以上にない贅沢だ。
 叶うならば、来年も再来年も、その先もずっと、友雅と一緒にこの光景を眺めたい。
 あかねがそう言うと、友雅が嬉しそうに頷いた。
「それも難しい事ではないね。近々挙げる私たちの婚礼も、待ち遠しいものであるし」
「……そうですね」
 あかねの返事が一瞬遅れて、友雅はおや、と片眉をあげた。隣を流し見ると、どことなく沈んだ顔のあかね。
「どうかしたのかな? 儀を前に、気がかりなことでもあるとか?」
「えっ? い、いえ、そんなことはないんですが……」
 慌てて否定するも、その語尾はまた沈んだものとなった。
「……あ、あの。結婚って、なんでしょう?」
「あかね?」
「わっ私は、本当にこの世界のことわからないし、結婚したらどんな奥さんになればいいのかわからないし、友雅さんに迷惑とか、絶対かけると思うんですっ。どんなに頑張っても、友雅さんの望むような奥さんになれるのかわからないし、いつ友雅さんに呆れられるか、嫌われちゃったりしたら……それなら──」

 ──いっそ、このままの関係を続けていたい。

 口にしかけて、あかねははっと口を押さえた。
 それまで漠然としていて形ない気持ちが、口に出すことで形作ってしまった。友雅との婚姻を、躊躇う気持ち。
 言葉にさえならなかったが、あかねが言いかけた事は友雅に伝わってしまったようだ。
「私が君を嫌いになるなどありえないと、君以外の者は誰でも知っていると思うよ? でも……そうだね」
 いつか嫌われてしまうかもなどという不安は、無論友雅の中にもある。自分の中にもあるのだから、あかねの中にもあるだろうというのも解っていたし、またあかねも、友雅の心にある不安を解っているだろう。
 だからきっと、想いを言の葉に乗せて伝えるだけでは、足りないのだ。
 友雅はあかねの真正面に回りこみ、構えていた扇を取り払って真っ直ぐに見つめた。
「どうしたら君の不安を取り除けるのだろうね」
 はっとして、あかねが顔をあげる。
 その瞳を捕らえて、友雅はあかねの頬に手を伸ばした。
「君の世界では、こういう時に何を約束いたのかな?」
「えっ?」
 優しく自分に触れる友雅の手に、あかねの瞳が揺れる。
「この世界のことがわからないのなら、君の世界の言葉で誓おう。これからの未来を、君に」
 そう言われてあかねの脳裏に浮かぶのは、この時にしか聞けない一生に一度の愛の言葉。
「い、いいんですか?」
「勿論。その代わり、もし私の邸に迎え入れられるのを是とするならば、君も君の世界の言葉で、応えてほしい」
 どうだい? そう真摯な瞳に問われて、あかねは頬を染めつつ頷いた。
 その唇がおずおずと異世界の言霊を綴る。
「その、私たちの世界ではこういうとき……結婚してくださいって、プロポーズの言葉を言うんです」
「それだけ?」
「えっと……」
 確認するように聞かれ、あかねは口ごもる。
 元の世界ではプロポーズにお約束な物と言えば婚約指輪だが、この世界にはそのようなものがない。なにか代わりになるような装身具といっても、今すぐにはムリだろう。
 あかねはちょっと考え込んで、それからあっと小さく声をあげた。
「その言葉と一緒に、男の人は女の人に花束を贈るんです」
「花束……」
 あかねに言われ、友雅は辺りを見回す。そうすると目に留まるのは、見事なまでの桜の花枝で……。
「では、ここの桜たちに、我々の約束を見届けてもらおうか」
 ふっと微笑み、友雅は満開に咲いた花枝をそっと手折った。花束とはちょっと違うけれど、溢れるほどに花開いた桜はそれにも勝る。
 花枝を手に振り返ると、ひどく緊張した面持ちのあかねがいた。
「ふふっ、そのように硬くなっていてはこちらまで緊張してしまいそうだよ。もっと、楽に聞いてくれないかな?」
「はっ、はいっ!」
 そんなことを言われても、友雅のような大人の男性とこのようなシチュエーション。緊張しない方がおかしい。
 胸の鼓動が激しくなる。顔に熱がのぼってますます朱くなる。目の前の友雅がわりと普通どおりなので、なんだか悔しくなってしまう。
 だが、その普通どおりの友雅が突然困った顔をした。
「……参ったね」
「えっ?」
「どのような言の葉を綴ればいいか、わからなくなってしまいそうだよ。思いつく数々の言葉の数だけ、自信がなくなってゆくようだ」
 小さく呟かれた言葉にびっくりすると、夜闇に友雅の頬が薄く染まっているのが見えた。
「と、友雅さんでも照れたりするんですか!?」
 と、うっかり余計なことを言ってしまう。
 あかねの言葉に苦笑しながら、友雅は頷いた。
「勿論だよ。私の言葉にいかんによっては、君に断られてしまう可能性もある。それになんと言っても、折角の誓いの言葉なのだから、忘れられない記憶になるよう雅やかに決めたいじゃないか」
 結構真剣に困っている様子の友雅に、あかねはぷっと吹き出した。
 友雅と「決めたい」という言葉がアンバランスで。そして自分と同じく緊張しているのだとわかって。
 あかねは胸の辺りがすっと軽くなるのを感じた。心に溢れる温かな気持ちのまま、頬笑みを浮べる。
「どんな言葉でもいいです。友雅さんの本心を、聞かせてください」
 そう言って、友雅を真正面から見上げた。
 友雅は微笑みと共に小さく吐息をもらし、あかねの視線を受け止めた。──では。と口を開く。
「私の月の姫。どうか私の妻になってほしい。これからの半生を共に生きてほしい。私は君の光り輝くさまに魅せられ、君が君らしく笑っていることを望んでいる。無理にこの世界に合わせることはないよ。ただ幸せになってほしいと、私の傍らで幸せにしたいと、そう望んでいる。だからどうか、私の妻になっておくれ」
 そこで友雅は一呼吸置いて尋ねた。
「さて姫君、ご返答は如何に?」
 その微笑みが少し自信なさげだったので、あかねはますます笑みを深くした。
 自分はなんて幸せなのだろう。不安が消えると言えば嘘になる。けれど、この人の傍らには、確かに自分の幸せがあると確信できる。
 あかねは友雅が捧げ持つ花枝を躊躇いなく受け取って、飛び切りの笑顔で応えた。
「はい、よろこんで……!」
 言葉と共に花枝から桜を一花とり、友雅の衣冠のえりの合わせ目に挿す。
 これはブーケをくれた男性に返す、女性の了承の返事。遠い世界で、母が父親との馴れ初めを話してくれた時の。
 不思議そうにしている友雅にそう説明すると、その顔も次第にほころんでくる。
「ありがとう。嬉しいよ、あかね」
「私も。今すっごい、幸せです! きっと、これからも。……ずっと」
「そうだね、紡いでいこう、未来を共に」
「はい!」
 桜の花びらがひとひらひとひら、二人を包み込むように散っていく。
 それは現代のフラワーシャワーにも似て、誓いの成立を祝福しているかのようだった。

 

〜 あとがき 〜
 2006年1月の「ありがとう企画」で展示した作品ございます。
 待宵月と桜とプロポーズをテーマに、友あかとヒノ神子で書いてみました。

BACK

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送