比 翼 連 理

「──誕生日?」
 その夜、妻に誕生日に欲しいものを聞かれたヒノエは、盃の中の酒を飲み干して振り返った。
「うん、そう。欲しいものない?」
「そういや望美の世界では、生まれた日を祝う習慣があるんだったか。……ってことは、オレの誕生日を祝ってくれる気持ちが、望美にはあるワケだね?」
「あっ、当たり前だよ」
 ヒノエが流し見ると、望美は照れたように頬を染め、プイとそっぽ向いた。
 そんな可愛らしさににやりと笑って、ヒノエは望美の頬に手を伸ばし、そっと引き寄せる。
 ほんの少し体温のあがった頬はまるで怒った時のようだが、ヒノエの手に誘われるまま素直に引き寄せられて唇を重ねた。
「──…で、欲しいものないの? ないなら適当に用意しちゃうから」
 唇を離したその顔がやっぱり怒ったような顔をしてるのは、照れの裏返し。わざとそっけないように紡がれる言葉も、小憎らしくて可愛いことこの上ない。
 自分と触れるのは好き。口付けも。でも未だ照れてしまう望美には、自分が仕掛ける誘惑に抗う事ができなくて悔しいのだろう。
 だから怒ったりヘソ曲げたりなフリをするのだけれど、生憎そんな望美の仕草は自分の大好物だったりする。
 ヒノエは望美を抱きよせ、耳元で囁いた。
「オレが欲しいと思うものは望美、お前だけだよ。お前と過ごす日々、今一瞬の時さえもが、オレにとっては極上の贈り物だね」
 無意識に自分を喜ばせてばかりの望美に、ヒノエは本心をありのままに答えたのだが、その答えは望美のお気に召すものではなかったらしい。
「もぅ、やっぱりそう言うと思った! 私が聞いてるのはそんなんじゃなくて、なんて言うか……、思い出になりそうなって言うか……」
「それなら、お前から贈られたものなら何でも特別な思い出になるぜ?」
「違うって……! ……もぉ、なんて言ったらいいのかなぁ〜」
 上手く伝わらなくて、望美は頭を抱えた。なんと言うか、もっと具体的に指し示して欲しいのだ。
 本来なら、誕生日のプレゼントなのだから、本人に聞く前に自分でアレコレ考えて用意し、いきなりプレゼントして驚かせたいところだ。だがヒノエに求められてこの世界に──熊野に残った望美には、それを実行するだけの知識や常識が欠けていた。
 思わず相談したなじみの女房などは、珍しい品々を取り寄せると言ってくれたのだが、それはちょっと、違う気がして。
(っていうか、大体その珍しい品々を見定めて輸入してんのが、ヒノエくんなんだけど……)
 望美は心の中で大きなため息をついた。
 ため息をついたのは心の中だったのだけど、望美がもんもんと悩んでいる様は誰の目にみても明らか。
 苦笑を浮べたヒノエが、望美の髪をすくい取りながら言った。
「ふふっ、お悩みだね、姫君。オレの誕生日を祝う品でそんなに悩んでくれるのは嬉しいけど、憂い顔より花の笑顔を見せてもらいたいね」
「ご、ごめんっ」
 こんな顔してお祝いも何もない。そう望美は思い出して、慌てて眉間のシワを消した。誤魔化すように提子の酒をヒノエの盃に注ぐ。
 なみなみと満たされた酒を一息で呑み干して、ヒノエは望美を振り返った。
「要は、姫君はオレの欲しいものがわからないから、何を贈ればいいか困ってるんだろ?」
「そ、そう! そうなの!」
「なら、姫君自身が欲しいね。濃厚で情熱的な時間を……」
 ヒノエはそう言って、望美の腰に手を回した。そしてその周辺を淫らになぞる。
 望美は渋い顔で赤面しながら、悪戯なヒノエの手をぺいっと叩いた。
「もう、すぐそればっかり! それじゃいつもと変わらないじゃない!」
「なら、口付けは?」
「……さっきしたばっかりでしょ」
「なら、オレがこの間贈った袿を着てよ。恥ずかしがって着てくれたことがないじゃないか」
「…………じゃぁ、ヒノエくんの誕生日には着るよ。おしゃれした私でいたいし……。でも、そんなんじゃなくって……!」
「そうだ」
 ヤキモキしている望美の言葉をさえぎるように、ヒノエが声をあげた。
 望美は一瞬きょとんとし、次いで期待するような眼差しでヒノエの言葉の続きを待つ。
「オレの誕生日にはさ、歌を詠んでよ。お前の、オレに対する気持ちを盛り込んだ歌を」
「う、うたぁ!?」
 嬉しそうに言うヒノエとは対照的に、望美はその願いを聞いた瞬間に青ざめた。
「うううううたって、和歌のことだよね!? わ、私まだそんなの詠めないよ!?」
 猛烈にうろたえて望美はあとずさる。が、先ほどヒノエによって腰を抱き寄せられていたため、それは適わなかった。
「別にイチから詠むことはないんだぜ? 望美が今までに知った和歌の中で、一番オレに贈りたいって思った歌を文にしたためて贈ってくれればいい。恋文のようにね」
「ふふふふふふみ、文って……っ!? そ、それに知った歌って言ったって……っ!」
 陸に打ちあげられた魚のように、口をパクパクさせている望美。
 それがよほど面白かったのか、ヒノエは笑いを堪えるような微妙な笑みを浮べて先を綴った。
「いくつかあるだろ? 最近古今集を勉強してるって、相模から聞いたぜ?」
 望美付きの女房から、最新の望美情報を逐一仕入れているヒノエは、彼女がものすごく頑張って勉強しているのをちゃんと知っている。こんなにうろたえなくてもいいのに、と思うほどに。
 是とも否とも答えられないでいる望美に、ヒノエはとびきりの甘い声で囁いた。
「オレはお前から恋文を貰ってみたいよ。いいだろ?」
 ギクシャクしている望美を落ちつかせるように、ヒノエは望美の頬に、額に、唇に口付けを落す。
 甘い刺激にだんだんと現実に戻ってきた望美は、青かった顔色をキレイな朱色に染めながら、小さくコクリと頷いた。
「ふふっ、楽しみに、待ってるぜ。オレの姫君?」
 望美の頷きに満足して、ヒノエは極上の笑みを浮べたのだった。




「…………ど〜しよ」
 翌日、望美はさっそく頭を悩ませていた。
 昨夜ヒノエから誕生日に欲しいものを教えてもらったまでは良かったが、問題はその教えてもらった内容。
 ヒノエは、自分のヒノエに対する気持ちを、和歌で贈れと言ってきた。しかも文にしたためて。
 自分で作ったものでなくていいと言ってくれたが、望美にとって難易度はさほど変わらなかった。
「第一さ〜、私まだ字が読めるようになった、程度なんだよ〜?」
 熊野に嫁いで結構な時間が経ったが、嫁いだ当初から始めて、最近やっと崩し字が理解できるようになった程度なのだ。しかも、ひらがなだけ。複雑な字やクセのある字などは、今でもさっぱりわからない。
 そんな望美だというのに、よりによって和歌を贈って来いとは。
「う〜ん。どうしよ〜」
 昨日は甘い声と深い瞳の色にうっかり頷いてしまったけど。
 望美は文机の上によれよれしながら突っ伏した。
「お方様、そのように沈没していないで、机を片付けてくださいませ。巻書を置くことが出来ないではありませんか」
 年経た女の声に顔をあげると、いつも望美の世話を焼いてくれる女房──相模が冊子や巻物を手に側にきていた。
「ご、ごめんなさい」
「恋の和歌を勉強なさりたいのでしょう? 古今集よりはこちらのものの方がよろしいかと存じますよ」
 ヒノエから既に話を聞いていたのか、相模は望美が空けた場所に持ってきた冊子などを置いていく。
 これは十中八九、ヒノエの気づかいだろう。……贈る相手に心配されるってどうよ。望美はため息をついた。
 まぁそんなしょんぼりな気持ちはとりあえず脇に置いといて、望美は心の整理をつけてから目の前のものに向き直った。
 その冊子などには、タイトルがついていなかった。厚さもこの間まで広げていた古今集に比べると薄い。しかもどうやら、それは一つ一つの独立した本のようだった。古今集は巻ノ一、巻ノニ……とあったものだが。
「これ……どういう本なんですか?」
「こちらは本……というより、日々の徒然書きや覚え書きといったものですね。主に昔の宮中の内容のものを持ってまいりました」
「へぇ〜。日々の覚え書きって言ったら……日記?」
「そのようなものです。です和歌が書いてあるものも多くございますし、内容的には色恋のものがほどんどでございますよ」
 望美はちょろと冊子を捲ってみた。誰それがきらきらしく涼しげな貴公子で〜なんて言葉が並んでいる。
「こ、これって……」

 …………昔の人の恋バナ日記。

 望美は自分の中に、むくむくとした好奇心が疼くのを感じた。元の世界で一番話すのが有川兄弟だったからあまり話す機会はなかったが、なんだかんだ言っても望美は女子高生。恋バナは大好きなのである。
 目をきらめかせてページを捲っている望美に、相模はしてやったりな笑みを浮べた。
「なんといっても、宮中のきらきらしい方々は色恋に命を賭けておられますから、きっと参考になるはずですわ。さ、お館様の生誕日までビシビシ行きますので、そのおつもりで」




「どう、望美、歌の勉強の調子は?」
 簀子縁に出て夜空を見ている望美に、ヒノエはそう声をかけながら袿を肩にかけた。
「あ、ヒノエくん。……ありがとう。ね、寒いから一緒に入ろう」
 春はもうすでに訪れてはいたけれど、ふとした拍子に冷える日がある。今日はちょうどそんな時分だった。
 ヒノエが自分の隣に腰を降ろしたのを見て、望美はかけてもらった袿を広げて、ヒノエを傍らに迎え入れた。
 二人の体が密着して、温かさと共に心にもぬくもりの灯がともる。
「歌、難しいよ〜。なんか、読めば読むほど自分で作れる気がしなくなっていく」
 ちょっと苦笑を混ぜながら、望美はからからと笑った。
 なぜあんな少ない言葉の中に、気持ちが盛り込めるのか。裏の意味を──というか、隠している本題を相模に教えてもらう度に、俳句の授業を受けた時の、字余りの苦労が思い出される。
「だから、望美が作ったものじゃなくていいって言ったろ?」
 焦げ付いてる望美を笑いながら、ヒノエはその細腰を抱き寄せる。
「難しく考える事はないよ。オレはお前からの恋文が欲しいだけなんだからさ」
「そう、恋文もあるんだよ〜!」
 望美はまいったという風に頭を抱えた。
 現代にいたころ、自分の字はキレイではないが、汚い字ではないと自負していた。
 が、そんな自信はこの世界に来たらこっぱ微塵に砕け散った。まぁ、敵わないのがある意味当然であるが。
 望美が唸っているのを、ヒノエは微笑ましい気持ちで眺めていた。望美が本心から困っているわけではないのがわかったからだ。何だかんだ言いながらも、望美の顔からは笑顔が耐えない。
「ふふっ、姫君はだいぶ楽しそうだね」
「えっ? そう? ん〜、た、楽しいと言えば楽しい、かも? 私ラブレター書いた事ないし、なんかドキドキして新鮮……だからかな?」
「らぶれたー?」
「恋文のこと。恋がラブで、文がレター」
 くれって言われてあげる文だから、ちょっと特殊だけとね。と望美は笑った。
「ふぅん。オレも恋文をもらうのは初めてになるから、楽しみだね」
「ええっ!!?」
 思いもよらぬヒノエの発言に、望美は盛大に驚いて、思わず仰け反ってしまった。
「ほほほほんと!?」
「……そんなに驚く事はないんじゃないかい? 本当だよ。見合いの文はたくさんあったけど、恋人と交わす文はしたことがない」
 だいたい今までの女性関係は戯れや立場上の礼儀としてだったから、恋文と言うようなものを交わしたことはないのだ。
 ヒノエから望美への文は、ヒノエが熊野を離れる度に交わしているけれど、望美からの文はいつも代筆。だから本当に、初めてヒノエがもらう恋文だったりする。
 呆然とヒノエの顔を見ていた望美が、ふいに嬉しそうに破顔して、ヒノエに寄りかかってきた。
「じゃぁ、頑張って書くから待っててね!」
「ああ、楽しみにしてる」
 肌寒い夜風の中、二人は一つの袿に包まって、ずっと身を寄せていたのだった。




「ん〜?」
 望美はとある漢字を前にして、首を傾げていた。
「わからない字がおありですか?」
 察した相模が、すかさず声をかけてくる。
 望美は言葉に甘えて、冊子の中ほどに書いてある字を指して聞いた。
「この字なんです。えっと……比……? その次がわからなくて」
「これは翼という字ですね。ああ、清少納言をご覧になっていたのですか」
「はい、名前だけは知ってるので」
 現代で言う「枕草子」を、まさかこんな形で読むことになるとは夢にも思わなかったけれど。
「これって、漢詩ですよね。和歌じゃないから珍しいなと思って」
「小納言殿は女性でありながら唐土の歌にも造詣が深かったと伝えられていますから」
 そこに記されていたのは唐土の歌人、白楽天の詩の一節。

在天願作比翼鳥
在地願為連理枝

 望美はその漢字の羅列から何となく目が離せなくなって、相模に手伝ってもらいながら意味を探った。
 言葉の裏に隠されている気持ちを探らなければならない和歌と違って、漢詩は漢字がわかればなんとなく意味がわかったので、解読するまでそう時間はかからなかった。

天ニ在リテハ願ワクハ比翼ノ鳥ト作(ナ)リ
地ニ在リテハ願ワクハ連理ノ枝ト為(ナ)ラン

 訳し終えた望美に、相模は年老いた顔に頬笑みを浮べた。
「比翼の鳥というのは伝説上の鳥で、雌雄それぞれが一目一翼。常に二羽一体となって飛ぶ鳥のことでございますね。連理の枝は2本の枝が絡み合い、ひとつの木に見えることから、男女の仲を表現するものとしても使われます。都近くにある糺の森には、連理の賢木があるそうですよ」
「へぇ〜。あっ、比翼の鳥って方、昨日の私たちに似てるかも」
 望美は昨夜一つの袿に包まって夜空を見上げたのを思い出した。
 なんだか、この漢詩がみるみるうちに好きになる。
 好きという気持ちも、未来への希望も、すべて「ずっと一緒にいたい」という気持ちから生まれるものだから。
 比翼の鳥や連理の枝のように、いつまでも寄り添っていたいと思うから。
「相模さん! 私、この詩をヒノエくんに贈っちゃまずいですか?」
 そうして、あっ、と気づく。
「ヒノエくん、和歌が欲しいって言ってたのに、漢詩を贈っちゃマズイか〜」
 とたんにしょんぼりする望美に相模は優しく笑い、
「そのような事はありませんよ。きっとお喜びになりますとも。……しかし、そうですね。もし気になるのであれば、私がこれからお教えする和歌を、贈ってはいかがでしょう?」
「えっ、どんなのですか?」
 時の帝に村上帝という天皇がいらっしゃいまして……、と相模は料紙に筆を滑らせ始めた。
 村上帝が最も愛した女御に贈った歌。望美の気に入った白楽天の漢詩に基づき、現し世でも死した後でも、共に在りたいと願った和歌。
 課題として相模が紙に記した和歌を訳すにつれ、望美の瞳が嬉しそうに瞬いた。




 ヒノエの誕生日当日。
 この日は望美がヒノエの誕生日を祝う宴を、二人きりでやりたいと強く希望した。
 望美と過ごす時間が、しかも邪魔が入らず二人きりの時間が増えるとなると、ヒノエに反対する理由はない。
 ヒノエはその日の執務を終え、帰邸するなり釣殿へ向かった。庭を夜空を愛でながらの時間を過ごすため、望美が宴の準備をして待っているはずなのである。
 予定に違わず釣殿では、火を入れた吊燈篭の下で望美が待っていた。
「待たせたね、姫君」
 ヒノエが甘く声をかけると、庭を眺めていた望美が嬉しそうに振り返った。
 灯りに照らされて、まるで蛍火を身にまとったかのようである。
「おかえりなさい」
 望美はなんとも嬉しそうに、しっかりと振り返ってヒノエを迎えた。
 ヒノエはすぐ隣に腰を降ろして、さっそくいつものように望美を引き寄せる。
 望美は抱き寄せられてすぐにヒノエを振り返って言った。
「ね、さっそくだけど、今渡しちゃっていい?」
「? ああ、アレか。勿論」
 ヒノエの頷きを受けて、望美がいそいそと恋文を出す。
 美しく花開いた桜の枝に結び付けられた、萌葱の薄様紙。それをヒノエに手渡しながら望美は言った。
「誕生日、おめでとう」
「ふふっ、誕生日を祝うってのも悪い気はしないね。こんなにも可愛らしいお前が見れる……」
 そう言ってヒノエは、望美に優しく口付けた。
 啄ばむような口付けをなんとか重ねて、唇を離した時には望美の頬は真っ赤に染まっていた。
 望美はそれを誤魔化すように言う。
「ね、ねぇ。それ開けてみてよ。私のね、一番の気持ちだから」
 お楽しみは後に取っておこうとヒノエは思っていたのだが、望美の求めにその考えをあっさり消した。
 薄様紙をそっと開く。そこには和歌が一つ、記されていた。

『生きての世 死にての後の 後の世も 羽をかはせる 鳥となりけむ』
(現世でも 死んだ後でも ともにある比翼の鳥になろう)

「──コレ……」
「あのね、私、ヒノエくんとずっと一緒にいたいから」
 それは和歌に託した願い。そして理想。
 上目使いにヒノエを見上げて反応を伺っている望美に、ヒノエは破顔して抱きしめた。
 そうして返し歌を言の葉にのせる。
「あきになる ことの葉だにも 変はらずは 我もかはせる 枝となりけむ」
「えっ? えっ? えっ?」
 あまりにも鮮やかにヒノエが詠んだために、ついていけなかった望美がパニクる。
 ヒノエは望美にもわかる言葉で、改めて返事を伝えた。
「秋になれば葉も散るけど、お前の心に変わりがなく、言葉も変わることがなければ、オレも連理の枝になるよ。ってね。──つまり、オレも同じ気持ちだってコト」
 これは先の和歌を詠んだ村上帝へ、女御が返した和歌。
 しかしヒノエはくすりと笑って、
「いや、ちょっと違うかな? 今の季節は秋じゃないし、オレ達の気持ちは桜の花のように散るものでもない。桜吹雪のように積もって埋め尽くす。終わりなんてないだろう? ずっと一緒に」
 そう言って、ヒノエはいつぞやのように望美に防寒用の袿をかけてやり、そのまま自分も包まった。
 一つの袿に二人で包まる様は、伝説の比翼の鳥のようだった。
 そしてぴったりを寄り添い、互いを抱き寄せる様は連理の枝のようだった。
「望美、愛してる」
「私も、ヒノエくんが大好き」

在天願作比翼鳥
在地願為連理枝

 すべての幸せに通じている「共に在る」という希望を胸に、後の世も、死した後も、互いに寄り添っている事だろう。

 

〜 あとがき 〜
 漢詩の訳だとか、和歌の訳だとかは、私の力ではありませんのであしからず(苦笑)
 30日の夜に突如として書く気になり、31日の朝、出勤前に調べ物をし、突貫で書き上げたので、突っ込みはご容赦ください。でも愛はたっぷりなのです。ウソつきません。
 ちなみに頭領が恋文をもらったことが無い設定は単なる趣味です(笑)

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